ライフサポートカフェ:21世紀のがん治療を考える

 

≪テーマ≫

 

「がんでは死なせない-最先端の免疫治療とは-」

講師:阿部博幸(医学博士、国際個別化医療学会理事長)

日時:2015年10月30日

 

<メモ>

 

◎最先端のがん免疫治療

人に備わっているしくみ(天与のメカニズム)を使うので副作用がない

①攻撃:NK細胞とキラーT細胞を使う。

②防御:がん細胞の反撃を排除する抗PD-1抗体を使う。

これは、免疫チェックポイント阻害剤としてNHKで報道された(10/27)。本庶先生が最近発見。ニボルマブのこと。

しかし、効果を上げるためにはキラーT細胞がたくさん必要。

 

『最強のがん免疫治療』とは

次の3つが必要。

1.NK細胞

2.キラーT細胞

3.抗PD-1抗体

⇒複合的免疫治療のほうが有効性高い。

“3頭立てトロイカ“

 

●がんは治る時代の免疫治療

コンビネーション(複合的)治療を行う。

それは、

1.活性化NK細胞療法:NK細胞利用

2.多価樹状細胞ワクチン:キラーT細胞利用

3.抗PD-1抗体(免疫チェックポイント阻害剤):ニボルマブ

 

〇統計データ、予測データ

・日本人の2人に1人ががんに罹る時代。

(国立がん研究センターの統計による)

・日本人の3人に1人ががんでなくなる時代。

(国立がん研究センターの統計による)

・がんが原因で死亡する人の予測:約37万人以上

これは広島・長崎の原爆による死亡者数に匹敵

・新にがんになる方(がん罹患者)予測:約98万人

このような状況であるにもかかわらず、

・標準治療の放射線や抗がん剤では効かない種類のがんがある。

抗がん剤全体の平均有効率は約25%。

がん細胞は叩けば叩くほど耐性が大きくなる

そこで

・個人の事情を考慮できないがん標準治療を進化させて

一人ひとりの事情を考慮した個別化医療が大切。

 

がん幹細胞は叩かないと(攻撃・死滅させないと)再発する

再発しないため

最先端の免疫治療で叩く(攻撃・死滅させる)。

このことは動物実験で証明済

 

実績効果(有効率:クリニックでの治療実績、末期がんの場合)

肺がん:68.2%(患者22人)

大腸がん:59.4%(患者32人)

すい臓がん:42.9%(患者42人):完治3例あり。など

 

最先端の免疫治療

第五世代、分子標的免疫細胞療法の時代になっている。

その中に、

1.CART

2.がんワクチン:樹状細胞ワクチンなど

3.抗PD-1抗体

がある。

しかし樹状細胞ワクチンは約7割の医師が知らないと回答した統計があり、医師の間では知られていない。

 

◎免疫治療の要諦(ポイント)

・がん細胞を見つける

・がん細胞を攻撃する

・抗がん作用が持続する

 

免疫の司令塔として樹状細胞を使うようになった。

樹状細胞は、がんの目印(抗原)を攻撃細胞に教える

・樹状細胞の発見:ラルフ・スタインマン教授

〈2011年ノーベル賞受賞〉

 

○樹状細胞療法:多価樹状細胞ワクチン療法のしくみ

①採血:アファレーシス(全血液入れ替え)が不要で少量(25CC)の静脈採血で済む。

単球を増やす技術。⇒少ない血液からワクチン製造が可能。

③がん抗原(ペプチド)を多価化⇒

がんの多様性に対応

個別化医療の実現。

皮内注射:リンパ節に近い部位に行う。

⑤がんを自然消滅させる。⇒副作用がない。

 

POC(Proof of Concept) 

エリスポット法で効果の持続性が証明された。

 

◎NK細胞とキラーT細胞の両方を使う理由

NK細胞は転移性がんに効く

キラーT細胞は原発性がんに効く

ことが実証されているから。

 

<Q&Aセッション>

主なもの

○がんワクチンが効くかどうかは血液検査でわかる。

⇒アルブミンの量が多いと効く。

 

○免疫チェックポイン阻害剤について

日本では一般の人は手に入らない。

体重1kg当たり1mgを投与。

約50万円/50mg・本

なので、体重50㎏の人なら費用は約50万円。

 

○がんワクチンなら抗がん剤なしで転移を防げる。

数種類のがんがある場合は

それぞれの抗原に対応したワクチンが必要になる。

⇒多価樹状細胞ワクチンならこれだけでOK。優れている点だ。

 

○がんワクチンなら効果が長期間持続する。

 

≪ご参考≫

免疫チェックポイン阻害剤の仕組み

出典:http://www.nippon.com/ja/column/g00268/抗PD-1抗体の仕組み

NHKの上記報道では次のように理解した。

≪現状の問題点≫

1.副作用の発生率が大きい(約10%)

免疫システムの暴走。(ブレーキ故障のシステム)

2.有効率は部位によってバラツキが大きい。

メラノーマ、肺がんには比較的効く(末期がんで約20%~40%)が、
すい臓、腎臓、大腸などは効きにくい。

3.高価。

 

以上

 

上記のPDFファイルは下記をクリックしてダウンロードしてください。

Oct30_2015九段塾メモ