がん治療情報アップデートのため
NPO法人が企画する2人の医学博士による
セミナーに参加(2015年6月18日開催)してきました。

ポイント:勉強になったことは
・白血病には抗がん剤治療が効く。多価樹状細胞ワクチンの効果が期待される。
・これまでの「個人の情報を無視した大規模集団調査に基づく治療」を見直し、
今後は「個別化医療」が重要。

・樹状細胞は免疫の司令塔。これが免疫治療を有効にした。
です。


メモを共有します。

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日時:2015年6月18日

九段生涯健康塾セミナー「ライフサポートカフェ:21世紀のがん治療を考える」

講演1:「骨髄の働きと病気:白血病について」
 講師:笹田 亜麻子
(医学博士、血液専門医、アベ・腫瘍内科クリニック院長)

講演2:「特許技術の多価樹状細胞ワクチンによる治療」
 講師:阿部博幸(医学博士、国際個別化医療学会理事長)

<講義メモ>
■骨髄の働きと病気:白血病について-笹田先生

・白血病は、肺がんや大腸がんのような固形がんではなく、
 悪性リンパ腫や骨肉腫などとともに非固形がんに分類される。
 これまでは全体の10%未満であったが近年増加傾向にある。
・血液を作る工場である造血幹細胞の異常によって引き起こされる。
・白血病は造血の質的な変化によっておこる。
 無効造血によって白血病細胞が作られる。
・造血障がいの症状として、熱が出る、疲れやすい、血が出やすくなるなどがある。
・白血病には約20種類以上あるが、最も多いのは急性骨髄性白血病(AML)。
 標準治療は化学療法と造血幹細胞移植。
・白血病は胃がんなどに比べて、抗がん剤が効く病に分類される。
白血病は抗がん剤治療が有効ながんといえる

しかし抗がん剤治療は負担が大きいため、
 比較的負担の軽い樹状細胞免疫治療を適用し効果を挙げつつある。
以前のセミナー(2014年12月)によれば
・WT-1抗原をターゲットとした実証例では、10人中5人に効果が証明された。
⇒70歳以上の患者への治療として期待されている。

■特許技術の多価樹状細胞ワクチンによる治療– 阿部先生

・統計によると、2人に一人ががんに罹り、
 3人に一人が亡くなる。
・がんは死因の第1位(2位:心臓病、3位:肺炎)
・がん標準治療は手術、化学療法、放射線とあるが、
 要は「保険が効く」治療である。
・しかし、抗がん剤治療は約25%の人にしか効かないとする統計あり。
最も効くと言われる鎮痛剤でも約80%、糖尿病の薬では 約60%の人に効くに過ぎない。

 従って、治療のポイントはその人にどんな治療が合うかを追求すること。
◎これまでの治療は、「個人の情報を無視した大規模集団調査に基づく治療」といえる。
 これからは「個別化医療」が重要視されるべき。
(今年、4月の 日本医学会総会でも同趣旨がテーマだった。)

免疫治療は個別化医療として期待されるが、
◎免疫治療の効果は
 ・がん細胞を見つける。
 ・がん細胞を攻撃する。
 ・抗がん作用が持続する

・統計を見ると、抗がん剤治療だけでは延命しかできないが、
 複合免疫療法なら生存が可能。
・樹状細胞ワクチンではがん細胞だけを攻撃し
 正常細胞を傷つけない。

◎現在の免疫治療は第5世代:分子標的免疫療法である。
・免疫の司令塔として樹状細胞を使うようになった。
 樹状細胞は、がんの目印(抗原、ペプチド、例えば、WT1、MUC1)を
攻撃細胞に教える。

・樹状細胞の発見が免疫治療を有効にした:
 ラルフ・スタインマン教授が発見〈2011年ノーベル賞受賞〉

◎多価樹状細胞療法では、
多くのペプチド(抗原)を使いオーダーメイドワクチンが作れる
 ・がんが免疫を妨げる様々な抗体を出しても対応が可能。
 ・あらゆる がんの種類に効く。

◎技術
①アファレーシス(全血液入れ替え)が不要で少量(25~30CC)の静脈採血で済む
⇒特許取得
②単球を増やす技術。⇒少ない血液からワクチン製造が可能
③オーバーラップ ロングペプチドを採用(多価)、広範囲のがんに対応できる

事実:実際の症例紹介:次の部位について実際画像とともに効果説明あり。
・肺がん・結腸がん・前立腺がん・乳がん・すい臓がんなど

実績効果(アベ腫瘍内科クリニックの治療)
肺がん:68.2%(患者22人)1年過ぎれば長期生存。
大腸がん:59.4%(患者32人)
すい臓がん:42.9%(患者42人):完治3例あり。など

・最近の5年生存率は平均約60%になっている。
⇒がんサバイバーのサポートを労働安全衛生士として行っている。

◎がんを遠ざける方法:P.D.ホワイト(アイゼンハワーUS大統領の主治医)によると、
・太りすぎない
・タバコを吸わない
・歩け歩けそして歩け。⇒適度な運動。

なお、
上記治療、症例等の詳細については阿部先生の近著
「がんで死なない治療の選択 アポトーシスの秘密」(2014年5月、徳間書店)
をご参照ください。
以上