九段生涯健康塾セミナーメモ

日時:2015年3月26日

九段生涯健康塾セミナー「これからのがん治療、後悔しないがん治療。」

 

「婦人科がん ―卵巣がんとその治療」

講師:杉山裕子(医学博士、公益財団法人がん研究会有明病院婦人科副部長、細胞診断部部長)

 

「あらゆるがんに対応する新しい多価樹状細胞ワクチンによる治療」

講師:阿部博幸(医学博士、トーマス・ジェファーソン大学客員教授、国際個別化医療学会理事長)

 

<メモ>

 

■「婦人科がん ―卵巣がんとその治療」:講師:杉山裕子

・婦人科がんの患者の若年化が進んでいる。

     例えば子宮頸がんは20~30代の若い女性で2001年以降、急増している。

     原因はHPVウイルス感染によることが明らかにされている。

     HPVウイルス感染しても約9割の方は自然に治るが、治らずに約2~3%の方はがん患者となる。

・子宮体がんの患者も若年化している。昔は50歳代、今は35歳以降。

・婦人科がんの死亡率は増加傾向にある。

 

◎卵巣がんの問題点・特徴

(1)卵巣がんの検診(健診ではない)は現在一般に行われていない。

(2)卵巣がんの原因は遺伝的要因など考えられているが未だ不明、危険因子についても明確でない。
  従って早期発見が重要になる。しかし、一般に検診がない。
  そのためセカンドオピニオンを求められることが多い。

(3) CT、超音波検査などでわからないので発見されたときには進行(Ⅲ~Ⅳ期)していることが多い。

(4) 卵巣がんの種類によって、抗がん剤が効きやすいがんと効きにくいがんがある。

 

◎遺伝子診療センター(有明病院)では卵巣がんの検査を行っている。

◎卵巣がんにはそのワクチンがある。

 

 

■あらゆるがんに対応する新しい多価樹状細胞ワクチンによる治療
:講師:阿部博幸

 

◎がんは恐ろしい病ではなくなっている。

 

がんには全身治療が重要。すなわち、抗がん剤、ワクチン、全身温熱療法。

 

現在の免疫治療は第5世代であり進化している

・一般には第3世代の免疫治療(LAK療法、NK療法など)がイメージされるので要注意。

・多価樹状細胞ワクチン療法はこの第5世代に分類される。

免疫の司令塔として樹状細胞を使うようになった。
樹状細胞は、がんの目印(抗原、ペプチド)を攻撃細胞に教える。

・樹状細胞の発見:ラルフ・スタインマン教授〈2011年ノーベル賞受賞〉

 

◎多価樹状細胞ワクチン療法にはエビデンスがある。

・実際の症例紹介:次の部位について実際画像とともに効果説明あり。

<アベ腫瘍内科クリニックの治療での有効率 主に末期がん患者が対象 

肺がん:68.2%(患者22人)

大腸がん:59.4%(患者32人)

すい臓がん:42.9%(患者42人):完治3例あり。など

POC(Proof of Concept)がある。:エリスポット法で効果が実際に証明されている。

 

◎多価樹状細胞ワクチン療法はがん幹細胞を攻撃する

・がん幹細胞をアポトーシスさせ、再発を防止する。

・慶応大学、大阪大学で証明(動物実験)されている。

 

◎多価樹状細胞ワクチン療法の優位性(特許取得)

①アファレーシス(全血液入れ替え)が不要で少量(25CC)の静脈採血で済む。

単球を増やす技術。⇒少ない血液からワクチン製造が可能。

③オーバーラップ ロングペプチドを採用、広範囲のがんに対応できる。

 

◎多価樹状細胞ワクチン療法は標準治療と併用できる。

・多価樹状細胞ワクチン療法は標準治療(手術、化学療法、放射線治療)を否定するものでなく、併用できる。

例えば、抗がん剤が効く人にはそれと併用し、オーダーメイド治療が可能。

 

◎がんを遠ざける方法:P.D.ホワイト(アイゼンハワーUS大統領の主治医)によると、

・太りすぎない

・タバコを吸わない

・歩け歩けそして歩け。⇒適度な運動。

 

なお、

上記治療、症例等の詳細については講師:阿部博幸氏の近著
「がんで死なない治療の選択 アポトーシスの秘密」(2014年5月、徳間書店)
をご参照ください。

以上