舌はどんな働きをしているのか整理してみる。
ここから健康維持への備えを考えたい。
○舌はどんなときに使うか?
・味を感じる。食べ物の味を感じる味覚。
・声を発するときに使う。
「滑舌」「舌が回る」といった言葉から連想。
・食べものをかむ、呑み込むときに使う。
食べ物をかみやすいように歯の上に運ぶのは舌の役割。
のみ込むときにも、舌が食べ物を塊にまとめ、喉に押し込んでいる。
・呼吸するときに使う。
○舌の筋力が低下するとどうなるか?
・食べることもままならなくなる。
舌は筋肉でできた組織。筋力は加齢とともに衰える。
足や腰の筋力が落ちると歩行が困難になるように、
舌の筋力が低下すれば、うまく食べられなくなる。
・呼吸をする上で問題。
舌の筋力が落ちると、
口腔内で舌の位置が下がり、口呼吸になってしまう。
これが感染症やアレルギーなど様々な病気を招く。
口で呼吸する習慣がある人は、
のどや気管が調整されない外気にさらされ、
粘膜を傷めたり、ウイルスなどの侵入が起きたりしやすい。
さらに、粘膜上で炎症が慢性化して免疫のバランスが崩れ、
アレルギーなどが起きやすくなる。
重要なのが、睡眠中の呼吸。
朝、目が覚めた時に口の中が渇いていたり、
のどがひりひりする人は、寝ている間に
口呼吸になっている可能性が高い。
・健康な生活のカギを握るのは「舌の筋力」だ。
○舌の筋肉を鍛えるには
・舌の習慣的運動。
一つの例としては、「あいうべ体操」という運動を毎日30回ほど繰り返す。
顔や首がポカポカ温かくなるぐらい、大胆に動かす。(詳しくは後述リンク参照)
他にも病院がリハビリ運動の一環として推奨するものがある。調べてみよう。
・会話を楽しむ。
家から出て人と話し、会食するなど、
生活の中で舌を使う機会を減らさないようにする。
特にリタイア後の世代は、自宅にこもりっきりになりやすい。
外に出ておしゃべりし、舌を鍛えることを意識しよう。
50~60代で、食べこぼしなどが急に目立ち始めた場合は、
運動神経の働きが落ち、舌の機能が急速に衰えている
可能性もある。そんな場合は神経内科を受診しよう。
・たんぱく質を摂る。筋肉の素。
舌は筋肉。全身の筋肉と一緒で、使わなければ衰える。
舌の筋力低下でかみ砕く力が落ちると、
肉などのタンパク質が豊富な食べ物を食べにくくなる。
タンパク質は筋肉の原料。
不足するとますます筋力が落ちるという悪循環になる。
機能が落ちきってしまうと、回復は難しくなる。
余力があるうちから、舌の筋力維持を心掛けたい。
出典 日経Gooday
日本歯科大学口腔(こうくう)リハビリテーション多摩クリニック(東京都小金井市)の菊谷武院長とみらいクリニック(福岡市)の今井一彰院長のお話による。
これは、日本経済新聞電子版「健康づくり」からの転載です。
詳しくはこちら
↓↓↓↓
http://gooday.nikkei.co.jp/atcl/report/15/030900003/101100085/