健康保険適用が認められた
免疫治療薬 免疫チェックポイント阻害薬オプジーボ(一般名ニボリマブ)について
最新情報です。

英の希望小売価格は日本5分の1。

英国では、メーカーの希望小売価格が日本の薬価の約5分の1で、
しかも非小細胞肺がんで保険償還される金額は、
その半分程度になりそう。

この情報は9月6日、厚生労働省で開かれた
記者会見で明らかにされました。

発表の内容を要約すると、640-%e3%82%aa%e3%83%97%e3%82%b8%e3%83%bc%e3%83%9c%e8%96%ac%e4%be%a1%e6%af%94%e8%bc%83
1.日本の薬価(約73万円)は、
米国の薬価(約30万円)の2.4倍、
英国の薬価(約15万円)の5倍。
(次のURL参照:http://robust-health.jp/article/images_thumbnail/2016/10/MRIC-582.php)。
英国でも、悪性黒色腫については保険償還されている。
2.非小細胞肺がんについて、
この価格では保険償還しないという判断が出ており、
焦点はメーカーがどれだけ値引きするか。
値引き交渉過程を追いかける限り、
妥結するなら半額程度になりそう、
というものでした。

大阪府保険医協会によると、
交渉は難航しており
最終判断が出るのは10月にズレ込むようです。

<ご参考>
英国は国民皆保険で、
原則として医療費の患者自己負担はありません。
一方で、医療行為の費用対効果を
科学的に判定するNICEという組織があり、
NICEが保険償還を推奨するか否かの
関門になっています。
英国での非小細胞肺がんについての
値引き交渉では、
ブリストル・マイヤーズスクイブ(BMS)が
26回(1年)を超えて投与を行う場合は、
その薬剤費全額を負担するという値引き提案をしており
それを前提に最初の1年分の薬剤費として
いくら保険償還するのかを巡って値引き交渉が行われています。

このことから、日本での値引き交渉については
大阪府保険医協会によれば
希望小売価格の半額程度になるのでないかという
分析があります。

日本の健康保険の交渉力に期待したい。

出典:『ロハス・メディカル』10月20日号に掲載された記事の
医療ガバナンス学会 http://medg.jp による転送による。