夏バテってどんな状態?

疲労が蓄積した結果、自律神経の機能が低下して、640×524287
本来なら対処できるストレス要因に
体が対応しきれなくなった状態が、
いわゆる「バテた」状態だ。

以下は、
東京疲労・睡眠クリニック院長のお話です。

夏バテはなぜ起きるの?

その要因とは、大きく分けて
「暑さ」
「紫外線」
「寒暖差」

3つだ。

夏バテ要因1:「暑さ」082244

夏場の体温調節は自律神経が担っている。
一定の体温を保てるのは自律神経のお陰。
つまり暑いときは、自律神経がたくさん働かなければならず、
その負担が大きくなるから疲れるわけだ。

 

夏バテ要因2:「紫外線」

夏は紫外線量が最も多くなる時期だ。
紫外線が目から入ることによって
その刺激が脳に伝わり、
自律神経のうち交感神経が
優位になりやすく、疲れやすくなる。

 

夏バテ要因3:「寒暖差」

夏は暑い屋外と冷房の効いた屋内を出入りするなど、
寒暖差を経験することが多いが、
これが自律神経の負担になり疲れることになる。475822

 

なぜなら自律神経は急激な温度差に対処して
交感神経・副交感神経のバランスを
保っているからだ。

 

従って寒暖差は
自律神経を疲弊させる可能性がある。

 

寒暖差には、
頭はのぼせるけれど足下は冷えるという、
上下の寒暖差もある。

 

このように、
夏は紫外線や寒暖差など様々な要因により
疲れやすいため、疲れがたまりやすい。

こうした状態が長く続くと
自律神経が対処しきれなくなって、
今度は内分泌系が対応しようと
ステロイドホルモン(コルチゾール)が分泌される。

このステロイドホルモンが大量に分泌されると
免疫力が落ちたり、血糖値が不安定になったり、
血圧のコントロールを失ったりして、
生活習慣病のリスクが高まる。

さらに悪化すれば、
心拍や呼吸などを司っている
本来の自律神経機能が破綻し、
突然死を招く可能性もあるという。

熱中症も夏バテの一つ

「熱中症」も広い意味で、
自律神経が体の変化に対処しきれなく
なったために起こる夏バテの一つだという。

熱中症を発症する前に、
本来なら喉が渇いたり、
循環器が状態を改善しようと働いて
対処できるはずなのだが、

自律神経の機能が低下すると、
心肺機能が追いつかなくなって、
血流が悪くなったり、心拍数が一気に上がってしまったりして、
心筋梗塞や脳卒中などで突然死を引き起こすという。

 夏バテはどう予防したらいいの?

夏は紫外線や寒暖差など様々な要因により
疲れやすいため、いびきをかくなど、眠りの質を落とす。

すると自律神経が休まらずに、
さらに疲れがたまるという悪循環に陥るのだ。

まずはいびきを止め、質の良い睡眠を

疲労回復を左右する最大の要素は「睡眠の質」だ。
夏バテについても同じで、
夏バテを予防・解消する最良の手段は
「質の良い睡眠を十分にとること」に尽きる。

夏は、交感神経が優位になりやすく、
夜になっても交感神経が興奮したままで
副交感神経優位になりにくいため、
睡眠の質が落ちやすい

睡眠リズムをつくっているのも
自律神経であるため、リズム自体も狂ってくる。

夏こそ、第一に
質の良い睡眠をとる工夫を重視すべきだろう。

いびきをかいて寝ている人は
疲れが残りやすい傾向があるため、
まずはいびきを止めたい

そのうえで、食事や環境などの見直しを行えば、
夏バテ予防や疲労解消につながる。
食事では、抗酸化成分を意識してとりたい。

 

出典:日経Gooday

http://gooday.nikkei.co.jp/atcl/report/16/031800011/070600014/